借入れ管理について
債務のコントロール
借り入れのコントロールは、ビジネスを行う上でも、生活レベルを維持する上でも必須です。
事業を行う場合の借り入れは別の場所で書くことにして、個人の借り入れについて考えてみましょう。
さて、借り入れの管理は、資産管理といえるのでしょうか?
無借金を賛美する向きもありますが、借り入れができるということは、信用があるということでもあります。
と言っても、無軌道に借り入れをしていると返済が滞ったり、利息に利益を食われてしまって、収益が上がらないということになってしまいかねません。
また、クレジットカードのリボのように、少額の借り入れがいつの間にか大きな借り入れに膨れ上がってしまうことがあります。
こう言ったケースは、意識しない借り入れが、思った以上の金利との相乗効果で大きな借り入れになっているものです。
借り入れにはどんなものがあるでしょうか?
個人の借り入れについては、下記のようなものが考えられます。
- クレジットカード
- キャッシングローン
- カードローン
- 目的ローン
- 無目的ローン
業者別に考えると、銀行、クレジットカード業者、貸金業者などに大別できます。
ちなみに、闇金業者などは、正規の借り入れには含めないこととします。
借り入れできる限度はあるのか?
基本的には、借りる人の年収や資産に応じて決まります。
貸金業法により、貸金業者からのキャッシングなどは「総量規制」の制限を受けます。
総量規制とは?
総量規制は、貸金業者からの借入れを対象としており、貸金業法により借り入れの総額を年収の3分の1までと定められています。
ただし、「総量規制」による制限を受けるのは、貸金業者からの借り入れとクレジットカードのキャッシングの部分だけです。
クレジットカードによる商品購入は「割賦販売法」の分野になるため、「総量規制」での規制対象にはなりません。
また、銀行の貸付けは貸金業法の規制(総量規制)の対象外です。
したがって、銀行等からの借入れを合わせた結果、借入残高が年収の3分の1を超えていたとしても、ただちに総量規制には抵触しません。
さらに銀行のカードローンも、一般の銀行等の借入れ同様、総量規制の対象とはなりません。
クレジットカードの限度額はどのように決まる?
クレジットの支払が多くなりすぎて、日々の生活に困ったり、住んでいる自宅を失うようなことがないために「支払可能見込額」を算定することをクレジット業者に義務づけました。
実際には、年収から生活維持費、クレジット債務などを除き、返済履歴、商品の担保価値など様々な要素を総合的に勘案して、年間支払可能見込額が算定されることになります。
クレジット業者は、クレジット債務を調査するために「指定信用情報機関」に個人信用情報を登録、照会する義務を負います。
クレジットカードの限度額については、包括支払可能見込額に経済産業大臣が定める割合(90/100)を乗じた額とします。これを超える場合、包括クレジット業者はクレジットカードを発行、増額することはできません。
- クレジット業者は指定信用情報機関の情報などを利用して消費者の支払可能見込額を算定します。
- 消費者はこれを超えたクレジットを利用できなくなります。
- 年収は、自己申告が基本です。証明書などは求められません。
- 専業主婦(夫)等の場合は、世帯の収入に基づいて、クレジットを利用することができます。
- 「生活維持費」は、利用者のプライバシー保護の観点、クレジット業者の調査能力の観点から、生活の実態を詳細に調査しなくとも把握できる、簡便な算定方式とします。
4人世帯以上 | 3人世帯 | 2人世帯 | 1人世帯 | ||
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持ち家あり | 住宅ローンなし | 200 | 169 | 136 | 90 |
持ち家なし | 家賃支払いなし | 200 | 169 | 136 | 90 |
持ち家あり | 住宅ローンあり | 240 | 209 | 177 | 116 |
持ち家なし | 家賃支払いあり | 240 | 209 | 177 | 116 |
このように、借り入れには様々な規制がありますが、返済のプレッシャーを考えると、借り入れできる限度まで借りいれるのは得策とは言えません。
また、返済が滞ると口座の差し押さえや資産の競売などで資産を失うケースも考えられますし、最悪の場合は、債務整理に発展する場合もあります。