民泊の運営ホストを収入源にするには?

公開: 2018/06/26 19:07

国内でも徐々に法整備などが進み、個人が所有する住宅や自動車などを貸し借りする「シェアリング・エコノミー」が、ビジネスとして広がってきています。

そんな中で、2018年6月15日、「住宅宿泊事業法」が施行されます。
これにより、これまでグレーゾーンであった民泊が正式に事業として運営できるようになりました。
都道府県への届け出を要することから、行政書士の皆さんが営業に乗り出しているようですが、きちんと書類を書けば個人で申請できる内容ですので、さほど難しい手続きではありません

民泊を副収入として運営するには、まず個人事業の申請をしておくほうが良いでしょう。
民泊を運営するのに必要なコストが経費として計上できますし、青色申告を選択すれば、65万円の控除も受けられます。

会社勤務と個人事業を同時に行うことに問題はないのかと思う人がいるかもしれませんが、サラリーマンでも、勤め先の就業規則などに反しなければ、個人事業を立ち上げることは可能です。

ただし、疫病などによる旅行の制限などにより、運営できなくなる事態も起こっていますので、今後の収益化が難しい場合もあります。

民泊の運営ホストは収入源として有望か?

民泊とは?

住宅宿泊事業法に定められた「民泊」とは、「旅館業以外の人が住宅に人を宿泊させる行為」で、「行為が年間180日を越えないもの」となっています。

また、関連省庁の省令によって、自治体への届け出や衛生面の規則などが規定され、運営者と利用者間のトラブルなども少なくなると思われます。

住宅宿泊事業法で定められた事業者には3種類あります。

  1. 住宅宿泊事業を運営する事業者
  2. 住宅宿泊を管理する事業者
  3. 住宅宿泊を運営する人と宿泊したい人を仲介する事業者

1.は、180日を超えない範囲で、住宅に人を宿泊させる事業者のことで、民泊のホストがこれにあたります。

2.は、委託を受けて民泊施設の維持管理をする事業者のことで、民泊代行業者がこれにあたります。

3.は、民泊に泊まりたい人と、民泊ホストを仲介する事業者で、Airbnbなどの民泊プラットフォーム事業者がこれにあたります。

これまでの「民泊」は、自治体の条例に沿って登録したもの以外は旅館業法違反などの違法なものが蔓延っていましたが、「住宅宿泊事業法」の施行後は、管理された事業者が運営するものが主流になっていくものと思われます。

そうなってくると、需要のある地域に空き家などを持っている人は、それを整備して民泊施設として活用するという副業が可能になるということです。

もちろん、施設の清掃や管理の手間はありますが、このあたりは「住宅宿泊を管理する事業者」に委託するなども可能ですし、年間180日という規定があるので、最大でも180回の作業ということになります。

宿泊者との交流が希望であれば、利用形態をそれに合わせることも可能ですし、あまり人と顔を合わせたくないなら、鍵の受け渡しなどを工夫すれば可能になるでしょう。

現在でも、「Airbnb」や「Stay Japan」など、民泊プラットフォームとして運営しているサイトがありますので、十分なノウハウは蓄積されています。

しかし、ビジネスとして運営するなら、集客よりも需要の有無が問題になるでしょう。
そして、需要がある地域では、180日という制限が収益の障害になってしまいます。

リタイア後の余生にコミュニケーションを求めるというのでなければ、続けていくことは難しいかもしれません。

もちろん、純粋に不動産投資として民泊可能な物件を紹介するサイトも登場しています。
こういったサービスを利用すれば、民泊を運営でいるような空き家などがない人でも、民泊運営用の物件を見つけることができます。

しかし、先ほども言ったように、ビジネスとして収益を求めるなら単なる民泊ではなく、旅館業法の基づく基準を満たして、旅館業としておく方が確実です。
収入の主力として運営するには、初期投資を回収するのが難しいといえるでしょう。

また、マンションなどで民泊を運営するには、近隣住民の皆さんとのコミュニケーションが重要になってくると思われます。
「住宅宿泊事業法」の施行前に特区として試行していた大阪では、14,000軒の民泊が運営されているといわれていますが、実にその70%近くが違法民泊となっています。
現状では、取り締まりも難しい状況になっており、今後全国に広がるにあたっては、風当りがきつくなる可能性もあります。

民泊が認知される発端となった「Airbnb」も日本で運営されていますし、国内業者の運営する「Stay Japan」も民泊事業者の募集をはじめています。
すでに、楽天トラベルを運営する「楽天」やリクルートも参入を発表しており、今後も多くの業者が参入するのではないかと思います。

先にも述べたとおり、ビジネスとしてというよりも、リタイア後の余生にコミュニケーションを求めるというのでなければ、続けていくことは難しいかもしれません。

余暇の活用というのであれば、利用するだけで無く、運営する側として参加するのも面白いのではないでしょうか?