Minimal Lifeの為の「習慣とコツ」

公開: 2018/06/24 19:09

気をつけていても、すぐ部屋やデスクが散らかってしまう。
そんな悩みを持つ人は少なくないはずです。

エントロピーの増大というのは、宇宙の法則ですから、空いたスペースというのは、常に何かで埋めようとする作用が働きます。
片付けの方法については、幾つもの本が出版されていますが、あなたの部屋が散らかってしまうのは、宇宙の法則が働いているからなのです

といった冗談はさておき、ミニマリストの生活には、必要なもの以外を身近に置かないということが徹底されています。

目的に集中する
 

Minimal Life」は、そこまで徹底してものを排除していませんが、無駄なものを排除するという点は似ています。

整理や片付けというのは、快適な生活のために行うものですから、片付けのための片付けでは意味がありません。
あなたが快適だと思う状態であれば問題ないのです。

ものが見つからないとか、「あれはどこだっけ」とか、必要なものを取り出すために全部ひっくり返さないといけないような状態では、無駄が多すぎます。

もし、身の回りが片付いていないと感じているなら、居住空間の快適な状態をイメージして、それを実現しましょう。
そして、それをさらに改善していくことで、理想的な状態が維持できます。

快適な生活空間を維持する方法について考えてみましょう。

片づけを始める前にスマホで撮影する

みなさんは整理整頓をするときに、なんとなく目についたところから手を付けていませんか。
どんな状態が快適なのか、イメージがないまま整理しても良い結果になることはありません。
どんな状態が快適なのかがわからないのですから…。

まずは、スマートフォンを取り出して「部屋の写真を撮影する」ところから始めましょう。

いきなり部屋全体ではなく、机の上、引き出しの中、棚周辺など、整理したい場所を撮影します。
次に、写真の編集機能を利用して「このようにしたい」というイメージを画像に直接書き込みます

写真にして見てみると、状態を客観視できるため、問題点に気づくはずです。
あとはこの写真を、ビフォー・アフターのビフォーと考えて、理想の状態(アフター)に向かって作業していきます。

最後に部屋の全体像を撮影して、同じようにイメージを明確にしてから調整します。

整理ができたなら、終了したときの状態を撮影して整頓前の画像と見比べてみましょう。
この時に、改善点に気が付いたら、アフターの画像に書き込んでおきます。
すぐに改善点を修正しておくのはもちろんですが、気づかなかった点を明確にしておくことで、部屋のイメージをブラッシュアップできます。
引き出しの中や、本棚の並びなど、「この状態が正解」というイメージを明確にしてあれば、維持していくのも楽になるでしょう。

オズボーンのチェクリストを応用する

居住空間は、有限のリソースなので、注意して維持しなければ散らかっていくものです。

たとえばケーブルや、電源アダプタ、薬といった小物は、どうしても横方向に平面を埋めがちになります。
こうした小物は、透明なファスナーバッグやバッグインバッグなどを利用して、立てておくとスペースを取らず、必要な時にすぐ取り出せます。
同じ種類のものをまとめて入れたり、利用するセットとしてまとめておけば、外出や旅行の際にも便利です

棚やスチールラックの中は、一目で見渡せるよう、ラックやコンテナなどでスタックしておけば、空間を無駄にせずにすみます。

「縦にできないか」「横にできないか」など、オズボーンのチェックリストを参考に、収納の方法を検討して見るのも楽しかもしれませんね。

オズボーンのチェックリスト

たとえば、

  • 横に広がって場所をとるものを、縦にする方法はないか?
  • 縦に入れて邪魔なものは、横にする方法はないか?

こうした視点を持つことで、空間を立体的に利用した整理整頓ができるようになるのです。

「情報の流れ」を意識する

デスクの上がごちゃごちゃになってしまうという人は、「情報の流れ」を意識するといいかもしれません。

職場なら、資料はキャビネットに収納され、必要な時には一時的にサイドラックに移動して、参照する時にはデスク上のトレーに置きます。

サイドラックから出した資料はトレー以外に置かない。
トレーにな入らないものはサイドラックに戻す。
サイドラックに入らないものはキャビネットに戻す。

言い方を換えれば、それぞれに「発着場所」をつくります。
場所を無秩序に埋めるのではなく、置き場所を決めて、そこから逸脱しないようにするのです。

自室であれば、本棚から手元へ、読み終われば本棚へという流れになります。

書籍や小物も、机の上に滞在することができる期限を設定して、読み終わったものは書庫に、使い終わったものは捨てるといったフローを設定しておくわけです。
居住空間を「保管場所」にせず、「フロー空間」としてコントロールするのです。

ものの「量」をコントロールする

居住空間をフローにするために実践してみたいのが、「量」を意識したコントロールです。

しばらく意識して調べてみればわかるのですが、本や雑誌、身の回りのものといったように、一定量の「もの」を居住空間に持ち込み、保管しています。
こうした持ち込むものの「量」が、捨てるものの「量」を越え続けると、当然、保管場所が足りなくなり、整理整頓が難しくなります。

そこで、「持ち込むもの」の量から逆算した、「箱」を一つ用意しましょう。
そして、ちょうどその量と同じだけ、いらなくなったものを「箱」に捨て続けます。

書類ならばスキャンして現物を捨てるなど、持ち込むものと捨てるものを均衡させることで、部屋にものがあふれるのを防ぐことができます。
さらに進めて考えれば、部屋からものを減らすことも可能でしょう。

周囲をコックピットのように、なんでも手の届く範囲に置くのは、正直とても快適です。
しかし、それが無秩序の領域に達しても、無理にこれが快適だと自分に言い聞かせていませんか?

ミニマリストの生活にものがない状態が維持されるのは、居住空間をフローとしてコントロールしているからです。
ものを買わないのではなく、必要なものしか身の回りに置かないだけなのです。

フロー(Flow)は、精力的に集中している精神的な状態をさすとも言われます。
ゾーン、ピークエクスペリエンス、無我の境地なども、フロー状態に関連しますね。

居住空間をフローにすることで、そういった状態に入りやすい空間を作ることができるのかもしれません。