テレワークをスムースに行うには?
テレワークは、日本語で言えば「遠隔就業」になります。
どこでもできる作業というのは、物品を組み立てる、物品を移動させるなど、物理的な関与が必要なものは困難ですし、接客などもオンラインで行える物でなくてはなりません。
つまり、PCなどを使った事務作業をはじめとするホワイトカラーの業務に限られるものです。
そういった点を理解していないと、導入についての正しい判断ができません。
同じような表現として「リモートワーク」という言葉もありますね。
意味合いは同じですが、テレワークが拠点から離れた場所で仕事をするという印象ですが、こちらは複数の拠点を繋いで仕事をするという印象があります。
セキュリティの確保を第一に。
テレワークにしろ、リモートワークにしろ、業務をスムースに行うには、どういった注意が必要でしょうか。
何より重要なのは、セキュリティの確保です。
テレワークなどの遠隔作業は業務の情報を持ち歩いているような状態で、情報漏洩の危険と隣り合わせと言えます。
コンピュータウィルスなどの危険だけではなく、背後の視線など、注意しなければならない点はたくさんあるのです。
業務情報を外部に持ち出しているという意識を常に持っていることが大事です。
これを意識し続けることはかなり困難ですが、これほど重要なことはありません。
家族といえども、業務の情報は見せてはいけないと
肝に命じておきましょう。
業務に使っている端末を起動したまま席を立つなどは、絶対にしてはいけません。
リアルタイムコミュニケーションは困難。
テレワークというと、まず話題に上がるのは、Web会議などのコミュニケーションツールです。
フロアでの業務と同じような環境を と考えるからでしょうか。
顔を合わせて仕事をするという意識から抜け出せない人は非常に多くいます。
しかし、顔を合わせて行う業務は、要求しない方が良いでしょう。
テレワークは、相手の状況が見えないので、リアルタイムコミュニケーションには不利なことはわかり切っています。
TPOをわきまえずに、話しかけるのはビジネスのマナーとしてはどうかと思いますし、会議ばかりしていては仕事が進みません。
オンライン会議システムなどで、ビデオ会議なども手軽に行えるようになってきていますが、顔を見せるというだけのためにそういった設備を整えるのは本当に必要でしょうか。
ある種のガス抜きとして、コミュニケーションや雑談は、必要だと思います。
そういった意味で対面コミュニケーションも無駄とは言いませんが、限られたデータ帯域を使って行うことでは無いでしょう。
1体1ならば、電話でも十分伝わる物があるでしょうし、スマホであれば多人数同時通話ができるアプリなどにも事欠きません。
本当に必要なものは別にあるのではないでしょうか。
その他にも、新しいサービスを安易に導入して、いろいろなサービスの使い方を学ぶ必要性はあるでしょうか。
特定のサービスに依存していると、そのサービスがダウンした場合には業務が停止するリスクはありますが、だからといってあちこちのサービスを無理に組み合わせる必要はありません。
テレワークの内容にもよるかもしれませんが、メインのリモートワークシステムとバックアップの連絡手段となるチャットサービスといったところで十分でしょう。
会社が、リモートワークに必要な全ての機材やサービスを提供してくれるような大企業でもなければ、使えるものを使っておく方が設備投資も少なくてすみます。
テレワークのメリット
- オフィスに行かずに済むので通勤時間が不要になる。
場合によっては、オフィス自体が必要なくなる可能性もあります。 - 家族との時間を作りやすくなる。
- 場所に縛られない環境が整えられるなら、旅行など移動しながら仕事もできる。
将来、副業やフリーランスとして活動することを視野に入れている人は、テレワークを通してリモートワークに慣れておく機会にもなります。
テレワークのデメリット
- 気分転換がしにくい。
- プライベートとビジネスの時間が区別しにくくなり、ストレスを感じるようになる。
- 同僚の様子がうかがえないため、レスポンスのテンポがズレると業務が停滞する。
- ネットの通信帯域を大量に消費する。(パケット制限の上限に達しやすい)
- PCの能力を通常の仕事の他に業務上の通信にも割くため、より高性能のPCが必要。
通勤にストレスを感じていなかった人にとっては、通勤自体が気分転換になっていたかもしれません。
通勤しないことによるストレスにも気をつけた方がいいでしょう。
業務自体も、お互いの状況が分かりにくいため、レスポンスのテンポがズレると、催促すら伝わっているかどうかわからないので、業務のテンポが致命的なズレが生じる場合があります。
そうなると、思うように進まないという状況は、大きなストレスになります。
その他、、プライベートとビジネスの区別をしっかりと分けないと、プライベートが仕事に侵食されるような気がして、ストレスを感じるようになる場合もあります。
テレワークでは、勤務時間という概念自体が曖昧になるので、家庭環境などにストレスを感じ始めたら、いっそのこと、家を離れてカフェや図書館などで業務に当たれるような装備を整えることも良いかもしれません。
最近では、都市部なら、利用したいときだけ借りられるリモートオフィスやコワーキングスペースなどもあり、ネットワーク環境などテレワークに必要な設備を手軽に利用できるようになってきています。
NTTやau、Softbank などの通信キャリアの帯域を使って業務を行う場合には、パケット無制限の契約でなければ、パケット上限に達しやすくなり、通信制限で業務が進まなくなります。
容量無制限の契約をしていない人は、モバイルWiFiなどには、通信料無制限のものもありますので、期間限定でレンタル契約してみてもよいかもしれません。
同じような問題として、通常の業務に使用するソフトウェアの他に、チャットやWeb会議などの通信系のソフトウェアも開いておく必要があるため、より高性能なCPUや大きなメモリ、高性能な通信能力が必要になり、結果としてより高性能なPCが必要になると考えた方が良いでしょう。