災害に備えるデータ保管術

公開: 2018/08/05 16:45

データの保管には、HDDだけでなく、クラウドの活用も重要です。
特に、地震や洪水などの災害によるデータの損失を避けるには、データを自宅以外の場所に保管する方法が欠かせません。

クラウドストレージは、ネットワーク上にデータを保存するので、インターネットに接続できれば全世界どこにいても自分のデータにアクセスできることがメリットです。
しかし、それ以上に世界各地にデータを分散して保存できるので、特定のデータセンターが災害を被ったとしてもデータが消失するリスクが低いという点がデータの保護に有効なのです。

たとえば、Googleドライブであれば、世界の異なる3ヶ所程度の地域にデータを分散しており、1ヶ所が被災したとしてもデータは保護されるとされています。

クラウドストレージは、ネットワーク障害などの影響でデータにすぐアクセスできない場合も考えられるので、手元の機器と同期しておくと便利です。
しかし、誤って手元のデータを消去してしまうとクラウドのデータも消えてしまう場合があります。
その場合でも、クラウドストレージのデータはクラウドのTrashBoxに移動されているだけの場合が多いので、クラウドストレージの使用を確認して、データをなくさないようにできます。

クラウドストレージを利用する際の最大のデメリットは、データのやり取りに時間がかかることです。
いちいちネットワークを使ってデータをアップロード・ダウンロードするには時間がかかることが多くなります。
しかし、専用アプリなどを使ってクラウドストレージとデータを同期すると、アップロードやダウンロードはバックグラウンドで自動で行われるので、転送時間を特に意識せずに利用できるので便利です。

容量の大きな動画データをバックアップするには?

クラウドストレージは、容量に制限があり大容量を確保するには費用が掛かるので、すべてのデータをクラウドだけにまとめるのは無理があります。
写真や音声などのデータなら個々のファイルの大きさはそれほど大きくありませんが、動画データを含めるとデータ量は膨大なものになります。

動画のバックアップとしておススメの方法は、YouTubeの活用です。
オリジナルの画質にこだわらないなら、YouTubeで動画を非公開にすれば、自分だけが見られる動画としてアップロードできます。
もちろん、共有機能でアカウントを指定すれば特定のアカウントだけに共有することもできるので、家族だけが見られる動画ライブラリを作ることもできます。
YouTubeは、4K動画もサポートするようになっているので、かなり高解像度の動画も保管できます。

写真に関しては、GoogleフォトやAmazonのPrimeフォトが便利

クラウドストレージには無料のものもありますが、有料で容量を追加できるものがほとんどなので、無料で使い勝手を試してみて気に入ったら容量を追加するほうが良いでしょう。

無料で提供されるものでは、サービスの終了が心配ですが、メインのストレージにまとめておいて、バックアップを別のストレージに取っておくといった使い方もありますので、本当に大切な写真などは複数のクラウドストレージに重複して保管しておく方が安心です。

主なクラウドストレージ

名称 無料容量 有料プラン
Googleドライブ 15GB 100GB・250円/月
1TB・1300円/月
2TB・2600円/月
10TB・13000円/月
OneDrive 5GB 50GB・250円/月
1TB・1274円/月
iCloud rive 5GB 50GB・130円/月
200GB・400円/月
2TB・1300円/月
Box 10GB 100GB・1200円/月
MEGA 50GB 200GB・4.99ユーロ/月
1TB・9.99ユーロ/月
4TB・19.99ユーロ/月
8TB・29.99ユーロ/月


無料のクラウドストレージでは、MEGAが50GBの容量を誇ります。
また、MEGAは、END to END で暗号化されるので、ファイルの内容が盗聴を受けにくいというメリットがあります。

マイクロソフトOfficeを使う人なら、OneDriveがOfficeの付属で使えるOffice365 Soloを選ぶのがお得だと思います。

iPhoneやMacのユーザーならiCloud Drive を選ぶのもありでしょう。

災害時に失われるデータはデジタルデータだけではありませんが、複製が容易なデジタルデータは管理を厳重にしておかないと同じデータの異なるバージョンがいくつか残る場合もあります。