家庭菜園は、災害備蓄として有効か?
家庭の庭で野菜を育てたり、ベランダのプランターで野菜を育てる家庭菜園、あるいは合同菜園の一部を借りて耕作をする方もいるかもしれません。
こういった家庭菜園は、災害の備えとして有効でしょうか?
大きな災害、とくに震災や水害で道路が分断された場合には、流通システムが麻痺して生鮮食品の確保が難しくなります。
しかし、自宅の被害が比較的少なく、家庭菜園で野菜を収穫できれば、そういった場合にも新鮮な野菜が食べられる可能性があります。
自宅が大きな被害を受けて、防災用の備蓄が全滅したような場合には家庭菜園も壊滅するでしょうから、防災用の備蓄として確保しておくことは悪くないような気もします。
ただし、土に野菜を植えている場合、雑菌や昆虫の卵、殺虫剤や農薬などの残留を洗浄するための水は必要になります。
沢の清水などを利用する環境が整っている田舎でもなければ、ライフラインが停止している場合には洗浄用の水を確保することが難しくなるでしょう。
非常時なのでそのまま食べるという乱暴な方法はさておき、食の安全を考えるなら、そういった危険を冒すのは賛成できません。
では、家庭菜園は災害備蓄として期待できないかというとそうでもありません。
個人的には、屋内の水耕栽培による家庭菜園は、比較的安全ではないかと思います。
もちろん、水の管理が日ごろからキチンとされている場合に限りますが、土で栽培する場合ほどには雑菌の繁殖は多くありませんし、屋内であれば虫がつく可能性も抑えられます。
日当たりなどが確保できるなら、しばらくライフラインが停止したとしても衛生面の安全性も確保しやすいと思います。
最近は植物の育成に必要な光源として利用できるLED電球なども販売されていますし、もやしなどを簡単に育てることができる育成キットもあります。
企業による野菜工場の実用化も進んできている昨今ですから、家庭用菜園ユニットなどが出てきてもおかしくありません。
というか、家族が食べる分にも満たない小さな水耕栽培キットならAmazonでも販売されています。
温度管理された屋内で、短期間で収穫できる作物であれば、ある程度備蓄に含めることもできるかもしれません。
今後、ガレージの片隅にでもおけるような、もう少し規模の大きなものが出てくれば、災害用の備蓄補助として利用できる可能性もあります。
栽培基盤になる人工土壌などが開発されてくれば、雑菌などの繁殖を抑えて、衛生的な野菜を生産できる家庭菜園キットなどもできるかもしれませんね。