無料で使えるパスワード管理 【KeePass Password Safe】
あなたは、普段利用しているパスワードを全部覚えていますか?
覚えているとしたら、あなたは数種類のパスワードを使いまわしているかもしれません。
あるいは、パスワードが必要な全部の場所を1つのパスワードで済ませていませんか?
そして、おそらくユーザ名も同じものを使っている場合が多いのではありませんか?
だとしたら、それはとても危険なことです。
なぜなら、最近のネットワーク犯罪の被害者は、違う場所で流出したユーザ名やパスワードの組み合わせを利用することで、ネット銀行の口座などからお金を奪われるといった被害を受けたりするケースが後を絶たないからです。
ユーザ名には、メールアドレスなどがつかわれることが多いため、自由にならないケースが多いとしても、パスワードはできるだけ複雑で、推察しにくいものを利用するほうが、そういった被害に遭いにくいものです。
でも、あまり複雑なパスワードでは覚えることはできませんね。
まして、それを使いまわさずに全部違うパスワードにするなんてとても無理です。
そこで、パスワードマネージャーの出番というわけです。
パスワードマネージャーとは、パスワードの生成を補助してくれて、そのパスワードとユーザ名、そしてその組み合わせを使っているサービスをまとめて管理するためのソフトです。
有名なところでは、「LastPass」や「1Password」、「RoboForm」など、いろいろな種類のものがいくつかの企業から提供されています。
Windowsだけでなく、MacやiOS、Androidなどマルチデバイスで使えるものもありますが、高性能なものは、すべての機能を使うためには有料や月額課金などが必須であることが多く、導入にためらうことが多くあります。
しかもこれらのソフトでは、パスワードの管理は開発会社に任せることになりますから、パスワード流出の危険がなくなるわけではありません。
ネットワーク犯罪の大部分は、信用できるはずの企業の従業員がデータを持ち出したりして起きることも少なくないからです。
しかし、ちょっとの手間でオープンソースの高性能パスワードマネージャーが無料で使えるとしたら…。
しかも、Windows、MacやiOS、Androidのすべてで無料で使えるとしたら…
さらに、パスワードの管理を人任せにせず、自分自身で管理することができるとしたら、これはもう使わない手はないでしょう。
そんないいことづくめのパスワードマネージャーが、「KeePass Password Safe」というソフトです。
KeePass Password Safe は、日本よりも海外で人気が高く、現在もバージョンアップが続けられている非常に安定した性能を持つパスワードマネージャーです。
KeePass Password Safe では、パスワードは 256 ビット AES 暗号で暗号化して保存され、パスワードの解読には保存ファイルを作成する際に自分自身で作り出した Keyfile がなければ開くことができないという、パスワードの漏洩が非常に困難になるように設計されています。
もちろん、各国有志による多言語化も行われており、日本語での利用も問題なくできるようになっています。
KeePass Password Safe が利用できる環境は?
KeePass Password Safe は、Windows版が基本になっています。
KeePass Password Safe
そして、本家版は Mono や Wine といったフレームワーク上での動作をサポートして、LinuxやMacOSなどで利用できるようになっています。
また、MacOS用やiOS、Androidで動作するアプリが作られており、それぞれのデバイス上で、Windowsで作成したパスワード管理ファイルが利用できるようになっています。
MacOS用のKeePass Password Safe 互換アプリ
Keepass X
iOS用のKeePass Password Safe 互換アプリ
MiniKeePass
Androido用のKeePass Password Safe 互換アプリ
KeePass2Android Password Safe
などがあります。
KeePass Password Safe のインストール
では、KeePass Password Safe をインストールしてみましょう。
ここでは、Windows版を例に、パスワード管理ファイルを作るところまでを解説します。
Mac版を利用したい方はこちらを参照してください。
Keepass X -Mac版 無料Password Manager-
KeePass Password Safe のダウンロード
KeePass Password Safeのオフィシャルサイトから最新版のインストールファイルをダウンロードします。
KeePass Password Safe オフィシャルサイト
左のメニューから「Translations」を選択し、日本語化ファイルもダウンロードしておきます。
KeePass Password Safe 日本語化ファイルダウンロードページ
KeePass Password Safe のインストールと日本語化
ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールします。
インストールの段階では、まだ日本語は使えないので、英語 (English) でインストールします。
インストール手順は、インストールウィザードで示されるので、順に「次へ (NEXT)」をクリックしていけば大丈夫です。
インストールが完了したら、次は日本語化します。
ダウンロードした日本語化ファイルを解凍し、「Japanese.lngx」というファイルを、KeePass Password Safeをインストールしたフォルダにコピーします。
通常であれば、「C:\Program Files (x86)\KeePass Password Safe 2」というフォルダにあるはずです。
コピーが終わったら、スタートメニューから「KeePass Password Safe」を起動します。
メニューの「View」をクリックし、「Chenge Langage」を選択します。
開いたダイアログで、「Japanese」を選択して、「close」をクリックします。
KeePass Password Safe が再起動すると日本語化が完了します。
次は、KeePass Password Safe のパスワード管理ファイルを作成しましょう。
パスワード管理ファイルの作り方